アイドリング

データの賢い活用でアイドリングを削減

大幅なコスト節減を達成したCOPART

「Vision Link(ビジョンリンク)経由で報告された車両の数値を基に、6か月間のトレーニングとオンザジョブコーチングを行いました。その結果が以下のとおりです。

  • アイドリング時間14%(約10%の削減)。
  • 平均燃料消費量9.6L/時(1台あたり1.5L/時の削減)。
  • 数値を経営チームのところに持っていき、見せました。

全保有機械(ローダ500台)x(アイドリング時間10 %減少)=約350万ドル。もちろん、彼らの目は釘付けになりました。」

この羨ましい限りの成果を出したのは、CopartのEquipment, Safety and Environmental ComplianceディレクタのJoe O’Leary氏です。Copartは中古自動車販売業者です。9か国に155の中古車ヤードを所有しており、廃車から復活させた車両や状態良好な中古車を販売しています。保有する500台の機械は主にパラレルリフト機能を持つホイールローダで、自動車を運搬車に載せるのに使用しています。

最初、データから成果は見えませんでした。

Joe O’Leary氏は、テレマティクスデータの有効性を長年信じてきた一人ですが、残念ながら数年前までは、彼が望む方法で使えていませんでした。COPARTのローダに搭載されているGPS遠隔管理デバイスのパラメータは、速度5km/時未満の車両移動を"稼動"と認識していませんでした。廃車ヤードのホイールローダは、自動車を運んだり積み込んだりする際に、自動車に傷付けないようにゆっくりと移動することが多いのです。

「そのシステムのデータは、保有機械は40~50 %の時間、アイドリング状態にあることを示しており、それが事実ではないことは分かっていました。幸い、経験豊かな機械管理マネージャーのグループがあったので、データよりも経験で判断したのです。しかし、数値データがないと、本格的な変化を起こすのは困難です。」

新しい機械で正確なアイドリングデータが生成されます。

幸運なことにO’Leary氏は、Caterpillar社で導入された938Kローダを利用することができました。このローダは、パラレルリフトが可能な最適化Zバーリンケージと、廃車ヤードでの用途に対応するよう設定可能なCat® Product Link™(プロダクトリンク)テレマティクスハードウェアを装備しています。

「私は軽率な決定はしません。だから、新しいCatローダを購入した際、そのうち16台にProduct Link(プロダクトリンク)を搭載することに同意し、様子を見ました。何か新しいことを始めるときは、人々をそれに馴染ませることが重要です。データを見る前に、オペレータたちに車両に慣れてもらい、ジョイスティックコントロールとハイドロスタティックトランスミッションに適応してもらう必要がありました。ヤードでの実際の様子がデータに確実に反映されるように、「日常」といえる状態にしなければならなかったのです。」

O’Leary氏は、オペレータにGPS保有機械追跡デバイス搭載のCat 938Kを1年間運転させ、それから、実際の業務でアイドリングデータを集め始めたのでした。

完全な分析でアイドリングデータを目標に変えます。

まず、O’Leary氏はCaterpillarのチームと会い、アイドリングデータが有効であることを確認しました。「そのレビューの最後には、業務の実態が正確に捉えられていることが分かりました。そして、データ活用の最善の方法は、アイドリング時間や燃料消費など、いくつかの主要基準から少しずつ始めることだと思いました。」

作業データ

938Kローダ16台を運転するオペレータの数値の範囲および平均:

重要指標 範囲 平均  
アイドリング時間 18 %~35 % 23 % 詳細を表示 詳細を非表示 
燃料消費率(L/時) 9.5~14.4 11.0 詳細を表示 詳細を非表示

 

「素晴らしいのは、正確なデータがあると実行可能な目標を設定できることです。となると本当の問題は、どのように目標を達成するかということになってきます。」

ベンチマーク目標

O’Leary氏がこのデータを基に設定したベンチマーク目標:

ベンチマーク目標 詳細を表示 詳細を非表示 
アイドリング時間 17% 詳細を表示 詳細を非表示 
燃料消費率(L/時) 9.5 詳細を表示 詳細を非表示

 

データベースのトレーニングで、オペレータが目標を達成し収益を伸ばせるようサポートします。

O’Leary氏はトレーニングとオンザジョブコーチングによるアプローチで臨み、彼の率いるチームは以下のことを実行しました。

  • アイドリングを減らし燃料を節約するため、運転のベストプラクティスをまとめた
  • 約1か月間にわたり、この技術に関してオペレータにトレーニングを行った
  • チームに数値を提示 - 今までのアイドリングの数値とこれからの目標を確認した
  • 週1回チームと数値をレビューし、進捗をグラフ化した

「約6か月取り組んだあとの結果は、約10 %の削減となる非稼働時間14 %、1台あたり1.5L/時の削減となる平均燃料消費率9.6L/時でした。経営陣チームに、もし保有する500台の全ローダが同様の成果を出したらどうなるかを提示しました。非稼働時間の削減だけで約350万ドルが節約できることになります。当然ながら、彼らの目は釘付けになりました。」

データが継続的にプラスの変化を引き起こします。

現在、CopartはGPS保有機械追跡デバイス搭載のCatローダの拡充を図っています。すべてのヤードから収集したVisionLink®(ビジョンリンク)データは、1つのアカウントで管理します。これにより、データの編集および意思決定を素早くできます。O’Leary氏の計画としては、重要な指標を増やし、従業員とともにプラスの変化を起こしたいと考えています。

「テクノロジは貴重なツールになるでしょう。テクノロジの活用について私が学んだことは次のとおりです。

  • 過剰な目標ではなく、達成可能な数値目標を提示すること。
  • 効果が分かるようにデータを活用して、相手の関心を引くこと。
  • 目標の達成の仕方をただ伝えるだけでなく、指導すること。

対話を続けるためには、結果を見せ続けましょう。何が起きるかに興味津々のはずです。」