日本リリース向け: 2016年7月
リリース番号: 256PR16
新製品のCat® 950M Zと962M Zホイールローダには、オフロード法2014年規制(Tier 4 Final)排出ガス基準適合のCat C7.1 ACERT™エンジンが搭載されており、先行モデルのKシリーズを大幅に上回るパワーを発揮しつつ、燃料効率を最大10 %向上させることができます。この新モデルでは、ドライブトレーンの先進性をさらに高め、油圧システムの設計を一新するとともに、新たなキャブ快適装備も追加されています。また、定評あるZバーリンケージがバケット性能を最適に保つため、トラック積込み時には良好な視界が確保されます。Cat Fusion™カプラを装備すれば、多彩なCatパフォーマンスシリーズバケットやワークツールを活用できます。
パワートレーンの先進性をさらに向上
Caterpillarが開発した電子テクノロジ、燃料テクノロジ、エアテクノロジ、後処理テクノロジの粋を集めた定評あるシステムにより、排出ガスの制御状況がすぐにオペレータに伝えられ、車両の操作が妨げられることはありません。また、信頼性と生産性の向上、オペレーティングコストの削減を実現することができます。
新製品の950M Zの定格出力(ネット)は171 kWで、Kシリーズ比で9 %高い出力を実現しています。一方、962M Zの定格出力は186 kWで、先行モデルを13 %上回っています。これら新モデルのピークトルクは平均18 %向上しており、さらに大きなパワーをホイールに伝達することができます。また、エコノミーモードではパワートレーンの負荷を自動的に検知して、エンジン速度とトルクを調整し、性能と燃料効率を最適に維持します。
950M Zと962M Zに採用されている5速の新型Catパワーシフトトランスミッションは、ロックアップ機能付きトルクコンバータ(レンジシフト(上下)中にロック状態を維持)とCatシングルクラッチスピードシフトシステム(レンジシフト中も前進/後進クラッチ締結を維持)を備えています。この2つの機能が連動して、ギヤ変更中のトルクフローをさらに効率良く維持します。これは特に、上り坂での加速中にその威力を発揮します。
トランスミッションコントロールとトルクコンバータ駆動のためのオイルを供給するポンプには、デュアルチャンバ、スプリットフローの新設計を採用することで、この2つのシステムからの要求量の変化に効果的に対応することができます。また、マルチグレードオイルがトランスミッションに採用されたため、低温時の摩擦が低減され、高温時の潤滑性能が向上しています。2速から1速への自動シフトダウンは、走行速度ではなく、トルク需要に応じて実行されるようになったため、運転効率がさらに高まっています。
トラクションアシストとして、手動ディスク式ディファレンシャルロックがフロントアクスルに標準装備されています。ホイール速度の変化に応じて自動的にかかるロックは、両アクスルに装備可能です。乾式ディスクキャリパパーキングブレーキは、Kシリーズのブレーキよりもシンプルな設計で、保持力が向上しています。
油圧システムの設計を一新
950M Zと962M Zの作業装置用油圧システムには、従来よりも大型のポンプが採用されており、低いエンジン速度で必要なオイルフローを生成できるため、燃料を大幅に節減することができます。新型のメインコントロールバルブは軽量のモノブロック設計で、漏れが発生する可能性のあるポイントが少なく、ライドコントロールセクションが統合されています(ライドコントロールには2つのアキュムレータを装備しているため、従来よりも大きなペイロード範囲に対応し、生産性をさらに高めることができます)。
第3、第4油圧機能制御用のリモート補助バルブを工場または現地で取り付けることができます。また、次世代タイプの作業装置用ポンプが、オペレータの期待する車両性能に沿うよう、油圧負荷を継続的かつ自動的にバランス調整します。
油圧コンポーネントの耐用期間を延ばし安定した性能を得るには、クリーンな油圧オイルが必須です。そのため、950M Zと962M Zの油圧システムには、効率の高いフィルタを備えたフルフローシステムが採用されており、リザーバに戻るオイルの汚れを除去します。このフルフローシステムを補完するのが、オフラインフィルタです。連続的に少量のオイルを分流し、非常に目の細かいフィルタで微細な汚れまでを取り除いた後、リザーバに戻すシステムです。
オペレータのための快適装備
950M Zと962M Zのキャブには、シート取付けの電気油圧式作業装置コントロールが装備されており、ジョイスティックによるステアリングも可能になっています。フルカラーのマルチファンクションタッチスクリーンが新たに装備され、直観的なインターフェイスで車両の稼動状況を一目で監視できるほか、一部の運転パラメータはディスプレイをタッチするだけで変更できます。このスクリーンにはリアビューカメラからの画像も表示でき、Cat Production Measurementシステムを導入した場合には、コントロールパネルとして利用できます。LED付きの密閉型スイッチパネルからは、頻繁に利用する機能に楽にアクセスできます。
階段状のステップと取付け位置を見直したグラブハンドル、さらに広くなったドア開口部により、キャブへの乗降がさらに容易で安全になっています。電気系統サービスセンターのスイッチを操作すると、地上面からドアのラッチを解除し、ガスストラットによりドアを大きく開くことができます。圧延成形のROPSポストを新たに採用し、ドアのガラス部分を拡張し、大型の凸面鏡をスポットミラーに組み込んだため、視界がさらに広がっています。自動空調システム、低い騒音レベル、振動を減衰するキャブマウンチングシステムで、オペレータの快適性と利便性がいっそう向上しています。
高度なテクノロジ
950M Zと962M Zでは、Product Link™(プロダクトリンク)などのLinkテクノロジをはじめとするCat Connect(Cat コネクト)ソリューションを利用できます。これは、車両の現在位置、稼動時間、燃料消費、非稼動時間、各種イベント、診断コードなどを追跡して、オンラインのVisionLink®インターフェイス経由でデータを報告するシステムです。また、DETECTテクノロジを導入して、オペレータが車両周辺の状況をより確実に把握できるようにし、危険な状況や車両の運転を監視、報告することで、作業現場の安全性を高めることもできます。これは、 オペレータが車両周辺の状況をより確実に把握できるようにし、 危険な状況や車両の運転を監視、報告することで実現されます。
950M Zと962M Zには、Cat Production MeasurementなどのCat Payloadテクノロジを装備し、積込み/運搬する資材を走行中に正確に計量することができます。ペイロード情報をキャブ内のディスプレイにリアルタイムで表示できるほか、オプションのプリンタでトラック積載質量のレシートを印刷できます。