世界リリース向け: 2015年3月
リリース番号: 36PR15
新しいCat® 735C、740C EJおよび745Cアーティキュレート・トラックは、前身であるBシリーズの定評ある性能、信頼性および耐久性を引き継ぎながら、重要な新機能が追加されています。この新機能には、U.S. EPA Tier 4 Final/EUステージIV排出ガス基準に適合しているエンジンを始め、拡張エレクトロニック・コントロール、自動トラクション・コントロール、リターダ自動制御、ヒル・アシストおよび待機ブレーキ・システムを備えた新型トランスミッション、オプションのペイロード計量システムなどがあります。どれもサイクル・タイム短縮、燃料節約、オペレータの作業負荷軽減によって、トン当たりコストの削減を実現することを目的としています。
新型モデルの定格ペイロード容量は、それぞれ36、42、45.2トン(32.7、38、41メートル・トン)であり、どのモデルも対応するBシリーズの後継機となります。新しい745Cの容量は740Bの容量より1.7トン(1.5メートル・トン)増加しており、サイクル・タイム短縮との相乗効果によって生産性が大幅に向上します。
新しい740C EJイジェクタ・モデルは、745Cのトラクタと水平吐出ボディを組み合わせることで、特定の作業における汎用性と安全性が高くなります。740C EJは、高速で走行しながら積載物を均一の高さで降ろすことができるため、現場散布装置が必要になる状況が少なくなります。また、安定性が向上しており、軟弱な足元、法面や傾斜地、頭上に障害物がある環境でも積載物を降ろすことができます。
新しいパワー・トレーンの効率
新型モデルのエンジンはTier 4 Final/ステージIV排出ガス基準に適合していますが、規制が緩い地域や規制がない地域に適用される排出ガス基準に適合しているバージョンもご用意しています。735CのCat C15 ACERT™エンジンの定格は452馬力(337 kW)、740C EJと745CのC18 ACERTエンジンの定格は511馬力(381 kW)です。
規制の厳しい地域での販売向けに設計されたアーティキュレート・トラックには、CAT排出ガス低減モジュール(CEM、Clean Emissions Module)が装備されています。この後処理システムには、ディーゼル・パティキュレート・フィルタが組み込まれており、オペレータが操作したり作業サイクルを中断したりすることなく、自動的に再生(堆積したスートの除去)を行うことができます。Cat CEMは完全統合型であり、選択触媒還元システムやディーゼル排気流体(DEF、Diesel Exhaust Fluid)タンクも組み込まれています。DEFタンクには、地上面から簡単にアクセスできます。
Cシリーズ・トラックに採用されている新しいCat CX38高密度パワー・シフト・トランスミッションは、前進9速、後進2速であり、搭載された数多くの電子機能によって全体的な性能と生産性が強化されています。
たとえば、電子式クラッチ圧コントロールによって、トランスミッションとクラッチの噛み合いが調整されるため、滑らかなシフト操作が可能になりコンポーネントの寿命が延びます。また、アドバンスト・プロダクティビティ・エレクトロニック・コントロール・ストラテジ機能によって、あらゆる運転状況においてギヤ選択が最適化され、性能の効率化と燃費の向上が実現します。
シフト・トルク・マネジメントは、改善されたシフト・コントロール・ロジック機能とともに作動して、ギヤ・レンジの変更中にトランスミッション全体のトルク・フローが均一に維持されるため、車両の運転に合わせたシフト選択が自動的に行われ、加速時にはダウンシフトが自動的に行われます。また、パーツ・スロットル・シフティングによって、エンジン・スピードが低いときにもシフト操作が可能になるため、燃料効率の向上、運転騒音の軽減、低速での操作性向上が実現します。
新しいCシリーズ・トラックは常時6輪駆動であり、地形や足元の条件が変わると、自動トラクション・コントロール機能によってインターアクスル・ディファレンシャルと3つのアクスル・ディファレンシャルにおけるクラッチ・ロックの噛み合いレベルが調整されます。この調整は、車両が移動しているときに行われ、オペレータが操作する必要がありません。トラクションが最適な状態に維持されることで生産性が安定し、オペレータはこのシステムを手動で操作する手間から解放されます。また、運転条件に応じてロックが比例的に作動するため燃料を節約でき、狭い場所でもスムーズにステアリング操作を行うことができます。
Cシリーズ・モデルのリターダ制御は、手動モードに加えて、完全自動モードに設定できるようになりました。自動モードでは、オペレータの操作は必要なく、エンジン・ブレーキ、ギヤ選択、サービス・ブレーキ作動の組合せによって車両の制動を実現します。自動システムは前進と後進どちらの操作でも利用でき、手動システムには経験豊富なオペレータ向けに2つのレベルの接続が用意されています。
全体的な効率と操作性に寄与するその他の機能として、傾斜地での停止と始動を容易にするヒル・アシスト・システムがあります。さらに、積み降ろし場所での待機や現場混雑による遅延など、作業サイクルの一時停止時にサービス・ブレーキを一時的に作動させる待機ブレーキ・システムもあります。
Cat Connectテクノロジ
735C、740C EJおよび745CのCat Connect PAYLOADテクノロジは、操作の最適化と作業現場全体の効率向上に役立ちます。Cat Production Measurementをオプションとして採用すると、オペレータは確信を持ってペイロードを正確に測定して運搬できるため、生産性の向上、コストの削減、過積載による損傷の可能性の軽減につながります。Cat Connect LINKと併用すると、オンラインVisionLink®ユーザ・インターフェイスからPAYLOADデータにアクセスできます。お客様は、性能および生産性に関する正確で信頼性の高いデータを利用できるため、保有車両について事実に基づいた意思決定を適切なタイミングで行い、作業現場を効果的に管理することができます。