世界リリース向け: 2015年7月
リリース番号: 156PR15
Cat® 16M3モータ・グレーダ新製品には最新技術が採用されており、燃費、構造耐久性の改善、メンテナンスの省力化、オペレータの利便性向上が実現されたほか、 オペレータだけでなく機械周辺にいる人の安全性がさらに高まりました。16M3には、世界各地の排出基準に対応する各種エンジンをご用意しています。
16M3モータ・グレーダは、鉱山の運搬道路建設やメンテナンスに不可欠の製品で、トラックの走行を最適化し、マテリアル1トン当たりの移動コストを最低限に抑えます。また、4.9 m(16 ft)のモールドボードを装備し、運転質量は平均32,411 kg(71,454ポンド)です。16M3は150トン(136メートル・トン)以下のトラックを使う作業に最適のサイズです。
16M3には、Cat最適化可変馬力システムを装備するCat C13 ACERT™エンジンが搭載されており、正味出力定格290~348馬力(216~259 kW)を達成します。エンジンについては、世界各地の排出ガス基準に適合するよう、米国EPA Tier 4 Final/EU Stage IV/日本2014年規制(Tier 4 Final)、Tier 3/Stage IIIA /日本2006年規制(Tier 3)相当、Tier 2/Stage II/日本2001年規制(Tier 2)相当に適合する3つのコンフィギュレーションを取り揃えています。
Tier 2相当およびTier 4 適合エンジンには、新たにエコ・モードが標準装備されており、可能なときにはギヤ作動中のエンジン・スピードを1,900 rpmに最適化して、性能を犠牲にすることなく燃費を高められます。オペレータが選択するこの機能を使うと、低負荷から中負荷の用途で、この機能を無効にした場合と比べて燃費が最大4~5 %向上します。エンジン制御システムが新たに追加され、冷却ファンによる出力低下を補うようエンジンを連続調整するため、地面に伝わる出力を一定に保ちます。
16M3には“OK-to-Start”システムも新たに追加されており、キーが「ON」位置に入ると、エンジン・クーラント、エンジン・オイル、油圧オイル・レベルを自動的にチェックします。また、作動中にこれらの液体類とトランスアクスル・オイルのレベルを監視し、レベルが異常に低下すると、オペレータに警告を発します。
ドライブ・トレーンと構造
Catダイレクトドライブ、パワーシフト・トランスミッション(前進8速、後進6速のギヤ)には、Catアドバンスト・プロダクティビティ・エレクトロニック・コントロール・ストラテジ(APECS、Advanced Productivity Electronic Control Strategy)システムが統合されており、スムーズにギヤ・チェンジして、生産性を高める設計になっています。モジュール式トランスアクスルにはディファレンシャル自動ロックが標準で装備され、ロック/ロック解除を適切に切り替えて、トラクションと操縦が最適化されるため、タイミングの悪いマニュアル制御による損傷を回避できます。
さらに、16M3ではブレーキ・ディスク径とピストン部分が拡張され、リア・タンデムのブレーキ動トルクが約15 %向上しています。マニュアル・ブレーキ摩耗インジケータが新たに搭載され、摩耗チェックのためにブレーキ・ポッドを取り外す必要がないため、ディスク摩耗測定が容易にできます。
16M3のフロント・フレーム、ヒッチ部分、リア・フレームは、質量が増えてパワーが向上したこの機械の耐久性を長期間確実に維持できる特殊設計になっています。中央部のシフト断面は高強度の鋳鋼製で、効果的に応力を分散し、メインフレームの高い負荷がかかる部分の耐久性が向上しています。リア・フレーム長も延長され、追加カウンタウエイト用の鋳鋼製バンパー2個が取り付けられています。さらに、ヒッチ・プレート(アーティキュレート・ジョイント部分)は、16M比で50 %厚みが増しています。フレーム長が延長されたため、機械のバランスとステアリングの制御性が改善している上、日常メンテナンスでも楽にアクセスできます。
キャブ内
直観的なメニュー構成のフルカラー・タッチスクリーン・ディスプレイが新たに搭載され、オペレータは機械の性能をモニタして、稼働状況に合わせてパラメータを設定できるほか、サービス情報にアクセスして、トラブルシューティングの初期対応が可能になります。さらに新しいディスプレイには、Catグレード・コントロール・クロス・スロープの計測値やDEF(diesel exhaust fluid、ディーゼル排気燃料)レベルも表示されます。
このほか、ライト付きのキーパッドが新たに追加され、従来の3ポジション・スイッチによる選択をほぼワンタッチ・ボタンで代替できるため、オペレータの作業が軽減されます。先進的なコントロール・ジョイスティック(後付けのオプション装備)を取り付けると、Catグレード・コントロール・クロス・スロープまたはAccuGrade™(アキュグレード)システムの制御性が高まり、補助油圧も制御できます。
16M3には、Caterpillar重要情報管理システム(VIMS™、Vital Information Management System)も標準で装備されており、機械の状態や周辺状況、トレンド、イベント、その他の重要な機械情報をリアルタイムで提供し、生産と計画を支援します。
安全性と整備性
標準装備のリアビュー・カメラ・システムからの画像が、新たに追加された情報ディスプレイ、またはリアビュー・ミラー上にオプションで取り付けたLCDスクリーンに鮮明に表示されます。さらに、シート・ベルト・インジケータも標準装備しており、オペレータがベルトを装着していない場合に警告を発し、このインシデントが故障コードとして記録されます。
さらにアクセスしやすくなったオプションのプラットフォームにはラダー、通路、手すりを装備し、機械の両側からキャブやエンジン・コンパートメントにアクセスできます。サービス・アクセス・コンフィギュレーションにはラダー、通路、手すりが装備され、エンジン・コンパートメントに左右どちらからでも便利にアクセスできます。両開きのドアからエンジンに完全にアクセスでき、ステンレス・スチール製のバレル・ヒンジを使って、簡単に取り外しできます。消火用機器対応パッケージを利用すると、16M3に最適の消火用機器システムを簡単に取り付けることができます。
16M3では、主な整備の間隔も延長されています。16M比でエンジン・エア・フィルタとプレクリーナは寿命が2倍になっており、S•O•SSM サンプリングとCatフィルタを使用した場合、メイン油圧、パイロットおよびトランスミッション・フィルタの整備間隔も500時間から1,000時間へと2倍に延長されます。また、S•O•Sサンプリングを使えば、トランスミッション/リアアクスル液体類の交換間隔も1,000時間から2,000時間へと延長されます。
エンジン・エンクロージャでは、バルブ・カバー上にクリアランスがあるため、主要コンポーネントを取り外さなくてもインジェクタ、圧縮ブレーキ、バルブを整備できます。リア・アクスルはモジュール設計で、シャーシからファイナル・ドライブの取外しができるため、整備時間を大幅に短縮できます。
16M3には、モジュール・クーリング・パッケージも新たに装備されており、クーリング・システムのコンポーネントの取外しと取付けが楽にできるため、16M比で20 %時間を節約できます。清掃用ドアからも冷却コアに楽にアクセスできます。
耐久性の高い金属製のフュエル・タンクはモジュール設計で、最大150 gpm(567.8 L)の高速充填フュエル・システムで整備も簡単です。ラジエータ・シャント・タンクは金属製です。DEFタンクを装備するモデルでは、地上面にフュエル・タンクを戦略的に配置して、楽に充填できます。
16M3モータ・グレーダの詳細については、最寄りのCatディーラにお問い合わせいただくか、弊社のWebサイトwww.cat.comをご覧ください。