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西建工業株式会社    

ICT施工、そして、その先へ。

新しい建設業を探求して変革に挑む。

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和歌山県紀の川市に本社を構える西建工業株式会社様は、ICTの活用によって「スピード」と「品質」を極めた重機土工を武器に設立からわずか8年で大きな飛躍を遂げられています。「いい商品(付加価値の高い商品)に人気が集まるように、建設会社もいい仕事をしていれば、お客様は声を掛けてくださる」時代の流れを見据えて新しい建設業を探求し、変革に挑戦する西口敬一社長に、ICT化による成功の軌跡と、次なるステップへの構想を伺いました。

ICT化を推進して仕事量を3倍、4倍にアップ。

 国土交通省が「生産性革命元年」と位置付けて、i-Constructionへの取り組みをスタートしたのは2016年のこと。西建工業様はそうした動きに先駆けること3年、会社を設立した翌年の2013年には、ICT化による現場作業のイノベーションを独自に進めていました。「私とオペレータ専任の社員、2人で土木工事の下請けを始めたのですが、お客様から『いい仕事をする』という評価をいただき、1年足らずで次々と声を掛けていただくようになりました。即戦力となる人員の補強が難しい状況で、スピードも品質も落とさずに、より多くの現場を回すためにはどうすればいいか、その答えがICTの導入でした」

 国内での導入事例がほとんどない中、西口社長は北海道の知人がICTを先行活用していることを知り、現地視察を通して「これは使える」という確信を得たといいます。「まず、測量用の自動追尾トータルステーションとGNSS測量機を購入し、第2ステップとして重機のICT化に着手しました。当時はまだICTを標準搭載した製品が発売されていなかったため、320DとD6Nにトリンブル社のシステムを後付けして3D施工をスタートしました。もちろん初期投資は必要でしたがCatファイナンスを活用して有利な条件で設備強化を行うことができました」

 ICT施工へシフトした結果、作業効率が格段に向上し、3倍、4倍の仕事量をこなせるようになっただけでなく、測量や丁張りの負担が軽減できるということで元請会社の評判もさらに良くなり、受注件数は加速度的に増えたそうです。

 時代の潮流にいち早く乗った西建工業様は、事業規模を拡大しながら、次世代油圧ショベル320、336、352など最新鋭のICT対応マシンを次々と導入して施工体制を増強。ドローンによる3D測量、3D設計データの作成など全面的なICT活用も先手を打って推進しています。

「i-Constructionと聞くと『ハードルが高そうだ』とつい身構えてしまいがちですが、当社は“便利さ”という一点でICTを取り入れ、成果を上げてきました。現在は100%の仕事をICT施工で対応し、3D設計データもすべて社内で作成しています。

事務職として採用した女性社員が以前はシステムエンジニアだったと聞き、測量の知識もない状態で手伝い始めてもらいましたが、仕事をしながら勉強して1年程でマスターしてくれました。最初はICT施工に抵抗感を持っていたベテランのオペレータ達も新規の現場に出る前には『データは用意できているの?』と聞いてくるぐらい、今ではみんなが彼女を頼りにしています」

 ICT施工はスマートフォンやカーナビと同じ、一度使って便利さを知ってしまうと前のやり方には戻れない、と西口社長は語ります。2人で始めた西建工業様はわずか8年で、社員35名、機械50台を抱える企業になり、現在も右肩上がりに業績を伸ばし続けています。その目覚しい躍進ぶりはICT化の成功モデルとして全国の業界関係者から注目を集め、昨年、幕張メッセで開催された「第2回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」では講演の依頼を受けて壇上に立ちました。

ICT施工は、ベテラン、初心者、それぞれにメリットをもたらす。

 取材時に西建工業様が担当されていた現場は20ヵ所。それを15名のオペレータで遅滞なくカバーしているということでした。「機械50台に対してオペレータが15人しかいないというのは、少な過ぎると思われるでしょう。しかし、ICTの力を借りれば、一人ひとりが何人分にも匹敵する仕事をこなすことができます。百聞は一見に如かず。これからご案内する現場にも最近購入した325をはじめICT対応マシンを6台持っていっていますが、オペレータ2人で仕事を回しています」

 西口社長に車で先導していただいて到着したのは有田郡の有田周辺広域圏事務組合クリーンセンター。西建工業様はこの現場で、従来から稼働している廃棄物処理場の隣に、汚泥再生処理施設を新設するための造成工事を請負っています。敷地の奥にある山から土砂を運び込み、D6T XLとCS54Bでミルフィーユ状に盛土を重ねて築いた基礎部分の法面を、チルトバケットを装着した325が手際良く整形しています。

 325の運転を務めていたオペレータ歴20年のキャリアを持つ谷畑昌治様は「3D施工の便利さは、高度な作業を行うほどハッキリとわかる」とメリットを語られます。「たとえばチルトバケットでの角面整形は、通常の作業機操作とバケットチルト角の調整操作を一緒に行わなければならないため、ベテランでもなかなか難しい作業です。しかし、チルトアシスト機能をONにして3D施工を行えば、設計面に合わせてチルト角を自動補正してくれるので、操作がラクになって仕事のスピードもグンと上がります。325は、電子制御の採用によって運転しやすさがアップしているし、シートのクッション性なども良くなっていて、長時間乗っていても疲れにくく、集中力を切らさずに作業を続けることができます」

 一方、「現場デビューから3D施工だった」という中丸貴礼様は、トレーラーのドライバーでしたが、現場で動くCatマシンに憧れ、西口社長に申し出てオペレータも兼務するようになったそう。「自分のように経験の浅いオペレータでも、ナビゲーションに従って操作すれば設計通りに仕上げることができるし、モニタを見ながら作業を行うことで『これだけ掘るには、このぐらいレバーを動かせばいいんだ』という操作感が自然に身に付けられる点も便利だと思います」

 キャリアはまだ3年の中丸様ですが、ベテランの谷畑様と見事なコンビネーションでキビキビと作業をこなされていました。

ICT施工の先に見つめる未来、リモートオペレーション。

 オペレータ、現場監督、経営者、一人で何役もこなして会社を急成長へ導いてきた西口社長が、今後の課題として掲げるのは、強い組織づくり。テクノロジを活用することで省力化・省人化することは可能になりましたが、強い組織をつくっていくためには人材が欠かせないと西口社長は語ります。「会社をやり始めたときに、人が来てくれなくて苦労したので、人材の大切さは誰よりもわかっているつもりです。ハンコを押せば機械を手に入れることはできますが、人材はそうはいきません。建設業に若い人材を呼び込むためには、“毎日、ヘルメットを被り、長靴を履いて、屋外で汗をかきながら働く”――

そんなイメージを払拭しなければなりません。私が次のステップとして挑戦したいのは、リモートオペレーションの実現です」

 すでに被災地の復興工事などでは重機の遠隔操作が導入されていますが、西口社長が頭に描いているのは、エアコンの効いたオフィスに運転席を並べ、あたかも現場にいるような感覚でショベルやブルドーザを自在に操作するという、まったく新しいワークスタイル。「少し前までは夢のような話でしたが、5GやVRといった革新的な技術の普及によって近いうちに可能になると信じています。それが可能になれば、高所や足場が不安定な現場といった危険な場所に行かなくとも作業できるようになり、女性にも安心してオペレータの仕事に就いてもらえるようになります。また、距離や国境を越えて、世界中どこの現場でも仕事が行えるようになります。アフリカの広大な大地に無人のブルドーザを何十台も並べて一気に整地を行う、そうなったら面白いと思いませんか?若い人たちもきっと集まってきてくれるはずです」

 お母様の実家が建設業を営んでいたため、子どもの頃からショベルやブルドーザは身近な存在だったという西口社長は、瞳を輝かせながら、建設業の未来を熱く語ります。「それを実現してくれるのは、キャタピラーだと信じています」

 ICTと融合し、革新的な進化へのフェーズを迎えた建設機械。キャタピラーはそのパイオニアとして蓄積してきた技術と

ノウハウ、独自の開発力を生かして、建設業の未来を切り開いていきます。

 

 

西建工業株式会社

代表者:西口 敬一

本社所在地 : 和歌山県紀の川市桃山町調月563番地1

設立 : 2012年 

従業員数 : 35名

事業内容 : 土木工事一式(情報化施工)、測量業(データ測量・ドローン・LS等)、

とび・土工工事業、関連する一切の業務

www.nishikenkougyou.co.jp

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盛土用の土砂を掘削する352と336。 6台のマシンを谷畑様と中丸様の2人で乗り分けて作業をこなされていました。

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3Dデータ作成担当の北野沙織様が、社長と共に、取材現場の様子を説明してくださいました。

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取材にご協力いただいたオペレータの谷畑様(左)。 *右は日本キャタピラー 和歌山営業所の田志セールス

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息の合ったコンビネーションで敷き均しと転圧を行うD6T XLとCS54B。

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積極的なICT導入を通して会社を急成長へ導いた創業社長の西口敬一様。

 352 and 336 excavating
3D data
Japan Caterpillar Wakayama
D6T XL and CS54B
Keiichi Nishiguchi

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